5回めの狭窄と手術 [2014年10月−2014年12月3日(水)]

総合病院での強行手術の後、再度かかりつけの病院に戻った私は、週1回の通院で膀胱の洗浄と膀胱瘻の消毒を、2週に1回のペースで膀胱瘻カテーテルの交換をして貰っていました。

 

11月に入ってそろそろ尿道カテーテルを抜去しようかという頃、尿道カテーテルからの排尿が滞るようになりました。カテーテルのキャップを解放しても尿が出なくなったのです。

 

かかりつけ医にその旨申し出てカテーテルの確認をして貰うと、「カテーテルが抜けかかっているかもしれない。それについての処置ならこの病院でもできるが、今後のステントを入れる手術の兼ね合いもあるから、総合病院のK医師に診て貰うように」とのこと。紹介状を書いて貰って、またもK医師に受診することになりました。

 

紹介状を持ってK医師の許に行くと、直ぐに手術の日取りが決まりました。今度はステントという医療具を尿道に留置しますとのこと。

 

 

2014年12月3日(水)に行なわれた術前説明によると、私の尿道は左図のようになっているとのことです。オリジナル(生まれ持った)尿道と性別適合手術で形成した尿道が断裂していて、断裂部は狭窄しています。

 

断裂した尿道は空洞によって微かに繋がっています。膀胱にたまった尿はオリジナルの尿道の狭窄した部分から滲み出すように出て、しかし形成した尿道は断裂して断面も狭窄しているので直ぐには尿が通らず、一旦空洞にたまって、やはり滲み出すような感じで排出されるのです。

 

 

この狭窄部を拡張する手術を2014年に内視鏡・切開合わせて4回行なったのですが、そのたびに狭窄は再発しました。今度は狭窄を防ぐためにステントという医療具を尿道に設置します。

 

ここで言うステントというのは「尿管ステント」のことで、左図のような形状記憶合金をコイル状に巻いて管に仕立てたものです。冷えると線状に伸ばすことができ、身体の中に入れると体温によりコイルの管のかたちになるのだそうです。

 

この小さな管を、狭窄が繰り返される部分に挿入・留置して再発を防ごうというのが今回の手術です。

 

 

内視鏡によりガイドワイヤーを挿入して狭窄部を拡張し、狭窄部から狭窄部へと橋を架けるような感じで留置します(左図)。

 

膀胱側の留置場所は丁度括約筋の辺りで、そこにきちんと留置されればいいのですが、膀胱からオリジナルの尿道の狭窄部までが短いので、K医師が仰るには「そんなに巧くいかないと思います」。どうも留置してもステントが尿道口側へすべってしまい、膀胱側の一端が空洞内に収まってしまうのではないか、という予想です。

 

この手術をしても巧く行かなかった場合、つまり狭窄が再発してしまう場合は、K医師によると「尽くす手がない」そうです。いまお世話になっている総合病院ではこれ以上の治療は望めないということです。

 

尿管ステント設置術は12月8日(月)に行なわれます。巧く行ったか否かはまた後日、記事にまとめたいと思います。

これが2014年12月3日(水)現在の状況です。

 


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