陰茎形成術を後に控えて腕に前腕皮弁による陰茎形成の準備手術をしたならば、その部分を自分でケアしなければなりません。
ここではその手順を簡単に紹介します。
腕にはトンネル状の穴が空いています。その穴の中を生理食塩水で洗浄します。
手首側の入口からじゃばじゃばー、肘側の入口からじゃばじゃばー、と勢いよく生理食塩水を流して、これを2〜3回繰り返します。
生理食塩水が入手できない場合は、コンタクトレンズ洗浄などに使う精製水でも構いません。
穴の入口に軟膏を塗ります。これは抗生物質です。傷が化膿しないためと、後でカテーテルを差し込むための潤滑剤になります。
軟膏は手首側にも肘側にも塗ります。最初の3箇月くらいはこうして薬剤を塗りますが、傷が落ち着いたら潤滑ジェルに変えます。
抗生物質の軟膏を医師の指示通りに使い切ったら、潤滑剤としてQCゼリーなどを使います。
QCゼリーなどの潤滑剤が入手できない場合は、男性用ラブローションなども代用品として使えます。当サイト制作者はこれを使用していました。ドラッグストアなどで安価で購入できます。
抗生物質の軟膏、または潤滑ジェルを穴の入口に塗ったら、尿道カテーテルをゆっくり差し込みます。カテーテルはシリコン製で、潤滑剤が充分でないと穴に入っていきづらいです。
カテーテルは手首側から肘側まで貫通させます。将来、尿道になるトンネルが塞がってしまわないようにきちんと差し込んでおきます。
カテーテルを差し込んだら、穴の入口の両方に、写真のようにガーゼを挟み込んでおきます。
ケアが一ト通り終わったら、本来は包帯を巻いておくのですが、1人でケアをするとなるとなかなか難しいので、写真のような感じでカバーを掛けておきます。
写真で使用しているのは100円ショップで買ってきた靴下(踵がないもの)の爪先をちょん切ったものです。
上の写真は手術から11箇月後のものです。手首側の入口です。
病院からは、カテーテル交換の際には煮沸消毒をするようにと言われますが、写真のようにカテーテルを煮込んではいけません。煮込むとカテーテルが変質して変形のもととなります。
煮沸消毒と言うより、熱湯消毒をすると考えた方がいいです。沸かした湯をカテーテルにかけて消毒します。
煮沸(熱湯)消毒ができない場合は、乳児の食器などを消毒するミルトンやチュチュベビー(当時の商品名)を使用しても大丈夫です。
© 2005- oji-3 All Rights Reserved.