ぐだぐだのまま出発 [2009年2月9日(月)]

減薬と断薬」のページで出発までの経緯を御覧頂くと判ります通り、私は心身ともに弱り切った状態で渡航日当日を迎えました。しんどかろうが飛行機も病院も予約が入ってしまっているので、出掛けない訳にはいきません。

 

常用薬をやめることでまともに動けなくなることは予想できたので断薬開始より早い時期に渡航用の荷物をまとめてしまい、あとは持って出掛けるだけという状態にしておいたので、空港のチェックインの時間に間に合うように身支度をして、私は出掛けました。

 

出発空港は関西国際空港。地元の鉄道駅からシャトルバスが出ているので、それに乗るだけで空港に着きます。バスは国際線出発フロアに着くので、着いたその足でチェックインカウンタに向かいます。

 

前回(2005年)渡航時は常用薬をやめたことで口が聞けなくなって、チェックインカウンタの係員に話しかけるのに随分手間取ってしまったのですが、今回は何とかスムーズに搭乗券を受け取ることができました。

 

荷物はメインバッグ・サブバッグともに預けてしまい、携行用の肩掛け鞄だけを身につけて移動することにしました。チェックインから搭乗まで2時間近くありますから、その間空港内をうろうろするには身軽な方がよろしいです。

 

預けた荷物は二つで9.7kg。最大20kgまで預けることができます。

 

今回利用するのはタイ航空機TG623機。1030時出発予定です。飛行機に乗るときには出発時間の2時間前に利用航空会社のチェックインカウンタで搭乗券を発行して貰ったり荷物を預けたりしておかなければならないので、スムーズに手続きが済めば搭乗までの2時間はまったくの自由時間になります。

 

直ぐに出国手続きを取って搭乗ゲートに向かってもいいのですが、タイ航空のカウンタの傍にスターバックスがあったのでそこでスターバックスラテを1杯所望し、ロビーでテレビを見ながらそれを飲みました。

 

テレビには大食いの「魔女」菅原初代さんが映っていて、今日は2月9日で「にくの日」ということで、しゃぶしゃぶだのステーキだのハンバーガーだの、馬鹿みたいに沢山の量の肉を次々に食べていました。その番組が妙に愉しかったです。

 

さて、一服し終えたら、出国手続きに向かいます。先ずはセキュリティチェック。手荷物をX線検査機に通します。私の場合は肩掛け鞄を検査して貰わなければならない訳です。

 

荷物を検査して貰う一方で自分自身も金属探知ゲートをくぐります。前回(2005年)は靴が金属探知機に引っ掛かって、この日も同じ靴を履いていたのですが、何故か今回は引っ掛かりませんでした。手荷物の方が引っ掛かりました。

 

私は鞄の中にいつもメジャーとコンパスとライトと十徳ナイフを入れているのですが、ナイフが引っ掛かったようです。「お見送りの方がおられたら、そちらに引き取って頂くこともできますが」と係員氏は気遣ってくださいましたが、見送り人もいなければ、さして高価な品でもなかったので、ナイフは処分して貰いました。

 

引き続いて出国審査です。飛行機搭乗券とパスポートを一緒に係官に提出します。係官はそれを確認してパスポートに出国印を押して、搭乗券とパスポートを返してくれます。この間、大抵は無言です。

 

この搭乗券とパスポートを持って搭乗ゲートに行き、飛行機に乗ってしまえば、飛行機が無事に飛びさえすれば、あとは自動的に目的地に着きます。搭乗前にトイレを済ませておくと狭い機内を移動してトイレに行く手間が省けるでしょう。

 

飛行機の搭乗は、ファーストクラスだのビジネスクラスだのの高額座席から優先的にはじまります。私などが乗るエコノミークラスは一番後まわしです。タイ航空機は利用者が多く、私は窓際の席(通路から遠くて不便)に追いやられてしまいました。

 

またこのとき乗ったTG623機は非常に座席の居住性が悪く、席の左右の幅も狭ければ前の席との感覚も窮めて狭く、搭乗からバンコク到着までの約6時間、身を縮めていなければなりませんでした。

 

機内は空席がなく、満員です。狭い席に押し込められ、限られた空間に人がぎっしり。パニック障碍持ちの私にはこの上ない悪条件です。搭乗した時点で既にしんどくて頭はぐるぐる、機内サービスがはじまるとキャビンアテンダントとのやりとりが大変苦痛でした(人と口を聞くのがつらくなるので)。

 

しかも私の席周辺を担当していたキャビンアテンダント氏は英語かつ聞き取りづらい声でしか話してくれず、何を訊ねられているのか判らなかったり、話しかけられていることに気付けなかったりしていました。

 

私の隣席には日本語が話せるタイ人女性がすわっていて、この人が世話好きなのか私の様子が尋常でないことを悟ったのか、飲みものを取ったりおしぼりを貰ったりとバンコク到着までの間こまごまと世話を焼いてくれて助かりました。有難うタイの人。

 

機内サービスが終わってしまうと、あとは到着まで放っておいてくれるので、鞄に入れていたiPodで音楽を聴いたりうとうとと転寝をしたりして時間を過ごしました。身体の具合いが悪くても、離陸のときの座席にGがかかって足許がふわっとなる感じや、着陸のときの車輪が接地する感触はやはりどきどきと愉しいものです。

 

飛行機は予定通りに1430時(1030時発で6時間後到着だから1630時着なのだけど、タイは日本よりマイナス2時間の時差があります)にスワンナプーム空港(新バンコク国際空港)に到着。飛行機のハッチを通りすぎた途端に「暑っ!」。真冬の日本から冬服で来た私を熱帯の空気が包みました。

 

 

スワンナプーム空港は、とても広いです。先ずは入国審査場へ向かわなくてはならないのですが、そこまでが遠いのです。こんな風に果てが見えないほど長い長い動く歩道を何本も乗り継いで入国審査場まで向かいます。だいたい、15分くらいはかかるのでしょうか。

 

案内板にはタイ語か英語しか書かれていないので、よく確認して迷わないように気を付けなければなりません。

 

 

動く歩道の手摺りに「Please Keep Left」と表示されています(黄色いステッカー)。「歩道の左側に立ってください」ということです。日本のエスカレータ関東式マナーと同じですね。急いでいる人は開いている右側を通って先に進んでいくのです。

 

 

入国審査場までの間に両替所が何箇所かあります。T社の案内書によると「1万円ほど両替しておきましょう」とのことでしたので、そのようにしました。

この日のレートは10000円=3708バーツ。これだけあれば当面は間に合います。

 

 

到着ゲートから入国審査場までの通路には何体か大きなタイのヤック(鬼)が立っています。これは入国審査場前の像。外国から来た人たちはみな像の前で写真撮影しています。

 

写真の右手の方が入国審査場です。

 

入国審査も出国審査と同じように係官にパスポートと入出国カード(機内で配布してくれるので必要事項を記入しておく)を渡せばそれを確認して、パスポートに入国印を押して返してくれます。特に問題がなければ無言で通過できます。

 

入国審査が終わったら預けた荷物を引き取って税関を通り抜けます。前回(2005年)は到着がドンムアン空港で、身体はしんどいのに荷物がなかなか出てこなくて疲労と不安に悩まされたものですが、今回は直ぐに荷物を見つけることができました。

 

税関を抜けたら、T社から送られてきた案内書に書かれている待ち合わせ場所へ向かいます。 写真を沢山使った判りやすい案内が書かれているので、広い空港内で迷うことはありませんでした。

 

しかし、待ち合わせのフロアに着いた途端に若いタイ人男性に腕を捕まれて「Where do you go?」と問われ、案内書の待ち合わせ場所の写真を見せて「I go to this place」と答えたのですが、タイ人男性は「Ok,ok」と言いながら待ち合わせ場所とは反対方向へ私を引っぱっていこうとします。

 

面倒なので、案内書のページを繰ってT社のガイド氏(3人)の写真を見せて「They are waiting for me, bye!」と言い捨てて、正しい待ち合わせ場所の方に向かいました。

 

空港3階の「金ラーメン」という店の前が待ち合わせ場所です。既にT社ガイドのY氏と、私とは別便で到着したMTFのAさんが待っていらっしゃいました。はじめましてとよろしく御願いしますの挨拶を交わして、早速T社の社用車で運んで貰います。

 

 

空港から自動車で十数分ほど走った場所にT社の事務所(J web creation)があります。私とAさんは先ずその事務所の2階と3階にある居室に前泊させて頂くことになりました。

 

事務所の1階はオフィスで、2階3階は居住区になっています。事務所は昨年2008年12月にこの場所に開いたばかりだそうで、新しくてきれいです。

 

あとで実感することですが、写真の右端に写っている社用車は乗り心地がとてもいいです。手術で尻をホチキス止めにされて暫くすわるのがつらかったのですが、この社用車に乗っている間は快適でした。

 

 

私がお借りしたのは2階の居室です。ベッドと冷蔵庫、クローゼットにテレビにユニットバス、空調機と一ト通り揃った部屋です。ホテルと何ら変わりがありません。

 

到着してから食事を出して頂くまで暫く時間があったので、荷物の整理もそこそこに私はベッドでうとうとしました。飛行機での密閉された空間に大勢の人がぎっしり詰まっている圧迫感で精神面の緊張が限界近くまで追い詰められていて、休息が必要だったのです。

 

 

事務所での前泊当夜は、事務所でY氏の奥方の手料理を御馳走になりました。タイの家庭料理です。

 

辛いのがあまり得意でない私はトム・ヤム・タレー(写真一番手前のスープ)は敬遠することになりましたが、ガイヤーン(ライス手前の皿、鶏の焙り焼き)はしっかり頂きました。

 

この頃には飛行機で感じていた緊張もやわらいで、食事をおいしく頂き、Y氏やAさんと歓談することができました。

 

食事を頂き、部屋でシャワーを浴びて、この日は休ませて頂きました。

 


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