仲介業者について

自力で病院と連絡を取って、自力で航空券を手配して、自力でホテルを押さえた上で渡航し、手術を受けて帰国する。勿論その方法でタイで性別適合手術を受けることはできます。しかし、それ等の手間を肩代わりしてくれる仲介業者というのも存在します。

 

前回2005年渡航時には数が少なかった業者も、2009年の段階では数が増えて選択肢はぐんと広がりました。

 

勿論、前回と同じ業者を利用するという選択肢もありましたが、今回私は先ず「前回とは違う業者を」という選択肢を択びました。複数ある業者の中から異なる業者を利用することでサービスその他を比較したいという気持ちと、その比較の結果がこれから業者を利用しようという人たちの参考になってほしいという気持ちがあったからです。

 

大小さまざまな業者が複数ある中で私が今回択んだのはT社です。

 

T社を択んだ理由は複数あります。先ず、かかりつけの病院であるヤンヒー病院との取引があること。それから、ほかのどの同業他社よりも料金が安いこと。そして料金の内訳が明確であること。また、私が望む性別適合手術以外の手術を同時に受けることができるサービスを提供していました。

 

2008年初期から何度かT社への質問を繰り返しながら検討を重ねて同年11月にT社に決定、仮申し込みをしました。それから年内に必要な健康診断等を済ませ診断書等の必要書類を提出し、本申し込みをし、2009年年初にはT社から書類一式を受け取りました。

T社から受け取った書類

ご出発のご案内

利用航空機、空港などの案内。出発日時、利用便名、チェックインの場所の明記、その他準備(案内書はいつでも取り出せる場所に保管するように、各種診断書の原本を忘れないように、など)の指示。

e-チケット

電子航空券。これを空港のチェックインカウンターで提示して搭乗券を発行して貰う。

手術に関するご案内書

申し込み区分、手術受け入れ先病院名、執刀医師名、手術費用などの明記、滞在期間の日程表など。
何日間入院して退院後に何をするのか、おおまかにでも事前に判ると落ち着いて過ごせる。

関西空港〜バンコク空港のご案内

利用空港の案内。私は関西国際空港発だったので関空の案内が記載されていた。空港見取り図や空港での出国、飛行機搭乗までの手続きの流れ、バンコク空港到着から入国手続き、荷物引き取りからアテンダンス業者のガイド氏との待ち合わせ場所までを写真入りで案内。
入出国カードの記入例や、ガイド氏と行き違いになってしまったときのための公衆電話代(10バーツ硬貨)も添付。

精算ご案内書

現地での精算確認のための書類。申し込んだ内容と費用、予め収めた金額、現地で収めなければならない残額などが記載されている。残額の支払いは当日現地の為替レートによって決定。

持ち物チェックリスト

衣類、小物、現金、診断書、洗面具、洗濯用品、食物等々、持参すべきもの持参すると便利なものを一覧表にしてくれている。出発直前の確認に便利。

連絡先一覧

住所、氏名等の連絡先、利用航空会社の連絡先、手術受け入れ病院の連絡先、宿泊先の連絡先などを記入して、近親者に渡しておく。また複製を自分でも持っておく。

 

海外への渡航の経験が豊富で、英語が堪能なら、自力で飛行機も病院も宿泊先も手配してしまうのが最も手っ取り早いでしょう。しかし、私は旅行慣れしている訳でもなく、難儀なことにうつ病という厄介な持病があります。

 

うつ病という病気は常に薬を服み続けることで病状を安定させます。しかし、手術前の少なくとも2週間前までにはすべての薬を断たなくてははなりません。つまり、うつ病でしんどい状態で渡航し、病院へ行き、治療を受けなければならないのです。

 

そんな状態でタクシーを捕まえたり病院で受け付けしたり主治医のカウンセリングを受けたりするのは、とてもつらくてしんどくて面倒です。その難儀な部分を補ってくれるのがアテンダンス業者です。私のような精神疾患持ちが他国の病院まで赴いて無事に治療を受けて帰国できたのは、業者の御陰です。

 

すべての人にアテンダンス業者の利用を勧めるものではありません。しかし、上手に利用することによって困難が排されることがあるのは確かです。

 


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